いつもと同じ春(新潮文庫)
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新潮文庫
文芸一般
TTS(読み上げ)対応
作品カナ:イツモトオナジハルシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-102522-3
紙書籍ISBN:978-4-10-102522-3
一族の血の重さに耐え、ひたすらに事業を拡大し、なおしなやかな感性を保ち続けようとする生きざまを、驚くべき真率さで物語る。
百貨店の社長として烈しい競争の世界を疾駆し続ける〈私〉の胸に、ふと、引き裂くように自由への渇望がこみ上げる。そのような時にはまた、宿業を負った生い立ちから、理想に燃えて父に反逆した青年期が思い起こされる。――一族の血の重さに耐えつつ、ひたすらに事業を拡大し、なおしなやかな感性を保ち続けようとする生きざまを、驚くべき真率さで物語る。平林たい子文学賞受賞。
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辻井喬(ツジイ・タカシ) プロフィール
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1927(昭和2)年、東京生れ。本名・堤清二。東大経済学部卒。西武王国の総帥だった父・堤康次郎の跡を継ぎ、理論派経営者の手腕を発揮する一方、詩人・作家として活躍。1961年、詩集『異邦人』で室生犀星賞、1984年『いつもと同じ春』で平林たい子文学賞、1993(平成5)年、詩集『群青、わが黙示』で高見順賞、1994年『虹の岬』で谷崎潤一郎賞、2004年『父の肖像』で野間文芸賞を受賞。他の作品に『彷徨の季節の中で』『風の生涯』『鷲がいて』など。