書評
2023年12月号掲載
この「箴言」を自室のドアの内側に貼っています。
山下澄人『FICTION』に寄せて
対象書籍名:『FICTION』
対象著者:山下澄人
対象書籍ISBN:978-4-10-350362-0
俳優の山﨑努さんに山下澄人さん著『FICTION』の帯に推薦コメントをお願いしました。この間、ふたりのあいだで取り交わされたやりとりをご紹介します。
▼山﨑さんから山下さんへ
「目が悪くなり、活字は少し読むと霞んでしまう。第一章(=「FICTION01 象使い」)を拝読した感想を短い文章にしました」(感想は下の直筆です)
▼山下さんから山﨑さんへ
「ああすごい。役者だからこその実感が、この感想に記されています。ぼくはまさにそうなんです。演劇と小説のつながりをこれまで何度も聞かれましたが、うまくこたえられたことがなかった。だけど、小説とつながるのは役者の感性なんです。反自伝小説とも言える『FICTION』で、ぼくは演劇と生について小説で書いてみたかった。『個』とは何か。とてもうれしいです」
▼山﨑さんから山下さんへ
「推薦コメント、送ります」(推薦コメントは下の直筆です)
▼山﨑さんから山下さんへ
「推薦コメント、気に入って頂けたら本当に嬉しいです。僕はこの『箴言(しんげん)』を自室のドアの内側に貼っています。部屋を出る時必ず目につく位置に。この本を読み始めて、直ぐに、あ、迷人は山下澄人さんなんだ! と」
▼山﨑さんから山下さんへ
「続きです。『僕も迷人の名人になりたいけど俗人』、です」
(やまざき・つとむ 俳優)
(やました・すみと 作家)