ある偽作家の生涯(新潮文庫)
新潮文庫
文芸一般
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作品カナ:アルギサクカノショウガイシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-106302-7
紙書籍ISBN:978-4-10-106302-7
天才と謳われた著名な日本画家の偽作を描き続ける一絵師の暗い数奇な半生を追った表題作。他に「玉碗記」等、歴史に取材した名作集。
ひとりの天才日本画家と知り合って相手の重さに打ちひしがれ、自らを磨滅した凡庸な画家の悲劇を描いた表題作。ほかに、千古の昔に渡来して現代の荒廃の中で天日を浴びた宝物の神秘的な流離の跡をしのぶ『玉碗記』『漆胡樽』、高野山の破戒僧の物語『澄賢房覚え書』、信玄の娘松姫の波瀾の生涯『信松尼記』、長い在唐のために日本語を忘れて帰国した留学僧の悲しみ『僧行賀の涙』。
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井上靖(イノウエ・ヤスシ) プロフィール
(1907-1991)旭川市生れ。京都大学文学部哲学科卒業後、毎日新聞社に入社。戦後になって多くの小説を手掛け、1949(昭和24)年「闘牛」で芥川賞を受賞。1951年に退社して以降は、次々と名作を産み出す。「天平の甍」での芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」での日本文学大賞(1969年)、「孔子」での野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章した。