愛さずにはいられない(新潮文庫)
新潮文庫
文芸一般
TTS(読み上げ)対応
作品カナ:アイサズニハイラレナイシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-119725-8
紙書籍ISBN:978-4-10-119725-8
傷を抱えた少年は、運命の女に出会い、愛と性に溺れていく。著者渾身の自伝的青春小説。
1960年代後半。芳郎は東京で下宿生活を送る高校生だ。酒や煙草、夜遊びに耽る毎日だが、その心には母への憎悪が深く影を落としていた。童貞を捨てた彼は性にのめりこみ、やがて運命の女、由美子に出会うーー。無軌道な少年時代と実母との確執とを赤裸々に描き、「この作品こそ自分自身」と著者に言わしめた唯一の自伝的作品であり、遺された数多の作品世界の原点ともいうべき特別な長編小説。(解説・小池真理子)
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藤田宜永(フジタ・ヨシナガ) プロフィール
(1950-2020)福井市生れ。早大中退後、渡仏。エール・フランス勤務、帰国後のフランス語教師などを経て、エッセイを書きはじめる。1986(昭和61)年『野望のラビリンス』で小説デビュー。1995(平成7)年、『鋼鉄の騎士』で日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会特別賞受賞。1997年の『樹下の想い』で恋愛小説にも新境地を開き、1999年『求愛』で島清恋愛文学賞受賞、2001年『愛の領分』で直木賞を受賞した。2017年には『大雪物語』で吉川英治文学賞を受賞。他の作品に『リミックス』『乱調』『老猿』『風屋敷の告白』『わかって下さい』などがある。