荒地の家族(新潮文庫)

新潮文庫
文芸一般
TTS(読み上げ)対応
作品カナ:アレチノカゾクシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-105961-7
紙書籍ISBN:978-4-10-105961-7
【第168回芥川賞受賞作】あの災厄から十数年。男は答えのない問いを抱え彷徨い続ける。
40歳の植木職人・坂井祐治は、十数年前の災厄によって仕事道具を全てさらわれ、その2年後、妻を病気で喪う。自分を追い込み肉体を痛めつけながら仕事に没頭する日々。息子との関係はぎこちない。あの日海が膨張し、防潮堤ができた。元の生活は決して戻らない。なぜあの人は死に、自分は生き残ったのか。答えのない問いを抱え、男は彷徨い続ける。止むことのない渇きと痛みを描く芥川賞受賞作。(解説・小川洋子)
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佐藤厚志(サトウ・アツシ) プロフィール

1982(昭和57)年、宮城県仙台市生れ。東北学院大学文学部英文学科卒業。2017(平成29)年、「蛇沼」で新潮新人賞を受賞しデビュー。2020年「境界の円居」で仙台短編文学賞大賞を、2023(令和5)年『荒地の家族』で芥川賞を受賞。他の著書に『象の皮膚』『常盤団地の魔人』がある。