夢の壁(新潮文庫)
新潮文庫
文芸一般
作品カナ:ユメノカベシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-122211-0
紙書籍ISBN:978-4-10-122211-0
戦争で母親を亡くした悲しみを背負いこむ中国人の少年と佐智との無垢な心の交流を描いた芥川賞受賞の「夢の壁」、ほか1篇収録。
終戦前後、少女期を北京で過ごした佐智が見たことは、少女の心をひとまわり大きくした――戦争で母親を亡くした悲しみを背負いこむ中国人の少年と佐智との無垢な心の交流を描いた芥川賞受賞の「夢の壁」と、国民学校が消滅した夏の一日、SH学院の利発な少女・宋梅里との友情、両親と共に日本に帰る1947年の船中の出来事など、佐智の目と心を通して活写する「北京海棠の街」を収録。
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加藤幸子(カトウ・ユキコ) プロフィール
1936年札幌市生まれ。1941年に両親とともに北京へ渡り、1947年に引き揚げ船に乗り帰国。北海道大学農学部卒業。農林省農業技術研究所に勤める傍ら「三田文学」に作品を発表。1982年「野餓鬼のいた村」で新潮新人賞を受賞、翌1983年「夢の壁」で第88回芥川賞を受賞した。1991年『尾崎翠の感覚世界』で芸術選奨文部大臣賞を、2002年『長江』で毎日芸術賞を受賞。他の著書に『ジーンとともに』『池辺の棲家』『家のロマンス』『〈島〉に戦争が来た』『鳥よ、人よ、甦れ』、絵本に『くさはら』(絵:酒井駒子)などがある。