アルチュール・ランボー(Rimbaud,Arthur)

アルチュール・ランボー

(1854-1891)1854年、北仏のシャルルヴィル生まれ。父の不在と敬虔(けいけん)な母親の干渉に耐えかね、家出を繰り返す。十五歳から詩を書きはじめ、知人に宛(あ)てた「見者の手紙」では、すでに「狂気」を引き受ける詩人の使命が高らかに謳(うた)われていた。1871年、まだ見ぬ海を幻視した「酔いどれ船」をひっさげ、パリ詩壇に登場。「母音」「永遠」「尻(しり)の穴のソネット」(ヴェルレーヌとの共作)といった代表詩をものにする一方、あまりの悪童ぶりで周囲との軋轢(あつれき)を招いた。その後、ヴェルレーヌとの愛憎劇のなかで『地獄の季節』(1873年)を完成し、1875年には散文詩集『イリュミナシオン』を脱稿するが、ほどなく文学と決別する。放浪の旅をつづけ、最後はアフリカの武器商人に転生。1891年、骨肉腫(こつにくしゅ)で右足を切断し、マルセイユで死去。享年三十七歳。

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