サミュエル・バトラー(Butler,Samuel)
(1835-1902)19世紀後半に活躍した英国の作家。父は英国国教会の牧師、同名の祖父も名門パブリックスクールの名校長で聖職者。ケンブリッジ大学を卒業するも、父にならって聖職者になる道を拒み、当時の新興植民地ニュージーランドに入植、牧羊業で財を成し、帰国。絵画、作曲を学ぶも、文筆の道へ。ダーウィン『種の起源』に衝撃を受けつつ、彼の理論に異を唱え、進化論と宗教性の融合を試みる。小説の代表作として、『エレホン』の他に、19世紀イギリス社会・家庭の抑圧性を暴いてヴァージニア・ウルフらの喝采を浴びた『万人の道(The Way of All Flesh)』(1903)がある。