ジャン・コクトー(Cocteau,Jean)

ジャン・コクトー

(1889-1963)1889年、パリ郊外の裕福な家庭に生まれる。九歳で父の自殺に見舞われ、少年時代には男子への片想いを経験。二十歳の頃から社交界の詩人として頭角をあらわし、やがて総合芸術に魅せられてバレエ作品を制作。以後、ジャンルを問わない前衛作家として驚異の夢を紡(つむ)ぎつづける。小説の代表作に『大胯(おおまた)びらき』(1923年)、『白書』(1928年)、『恐るべき子供たち』(1929年)があり、後者二つは男性間のホモエロティシズムが色濃い。レーモン・ラディゲやジャン・マレとの交際でも知られ、そうした青年たちとの「友情」は自伝『ぼく自身あるいは困難な存在』(1947年)に多く語られている。第二次大戦後は『双頭の鷲(わし)』(1947年)や『オルフェ』(1949年)など映画制作にも従事。1963年、親友エディット・ピアフの訃報(ふほう)に心臓発作を起こし、七十四歳で死去。

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