あのひとは蜘蛛を潰せない(新潮文庫)
新潮文庫
文芸一般
TTS(読み上げ)対応
作品カナ:アノヒトハクモヲツブセナイシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-120051-4
紙書籍ISBN:978-4-10-120051-4
28歳。恋をして、実家を出た。でも、母の“ちゃんとしなさい”からは出られない。
ドラッグストア店長の梨枝は、28歳になる今も実家暮し。ある日、バイトの大学生と恋に落ち、ついに家を出た。が、母の「みっともない女になるな」という“正しさ”が呪縛のように付き纏(まと)う。突然消えたパート男性、鎮痛剤依存の女性客、ネットに縋る義姉、そして梨枝もまた、かわいそうな自分を抱え、それでも日々を生きていく。ひとの弱さもずるさも優しさも、余さず掬う長編小説。
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彩瀬まる(アヤセ・マル) プロフィール
1986(昭和61)年、千葉県生れ。上智大学文学部卒。2010(平成22)年「花に眩む」で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞しデビュー。2017年に『くちなし』で、2021(令和3)年に『新しい星』で直木賞候補となる。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『桜の下で待っている』『やがて海へと届く』『朝が来るまでそばにいる』『草原のサーカス』『かんむり』など。2023年には『花に埋もれる』所収の短編「ふるえる」がイギリスの老舗文芸誌「GRANTA」に掲載、『森があふれる』の英語版が出版されるなど海外でも高い評価を受ける。小説の他に東日本大震災被災記『暗い夜、星を数えて』がある。