アーカイブ楽天記（新潮文庫）
新潮文庫
文芸一般
TTS（読み上げ）対応
作品カナ：ラクテンキシンチョウブンコ
紙書籍ISBN：978-4-10-118504-0
紙書籍ISBN：978-4-10-118504-0
うつろう折節に、現れては消える生と死の諸相。よろぼい生きる人々の〈楽天〉――。日常の微細な襞をほのかに照らす長編小説。
夢の中の幻の息子、旧約聖書の預言者の謎めいた言葉、死んだ旧友が繰り返していたという奇妙な仕草…うつろう折節の事どもの内に、密やかに重なりあう生と死の諸相。生涯をよろぼう人々の心に、常に在る「楽天」。老いや死への思いと共生するように暮らす作家・柿原の、そぞろに揺らめく想念を軸に、私小説的な手法を用いた自在な筆致で人間の精神を深奥へと掘り進む長編小説。
購入サイト
古井由吉（フルイ・ヨシキチ） プロフィール
（1937-2020）1937年東京生まれ。東京大学独文科修士課程修了。ロベルト・ムージル、ヘルマン・ブロッホらドイツ文学の翻訳を手がけたのち、1971年「杳子」で芥川賞を受賞。1980年『栖』で日本文学大賞、1983年『槿』で谷崎潤一郎賞、1987年「中山坂」で川端康成文学賞、1990年『仮往生伝試文』で読売文学賞、1997年『白髪の唄』で毎日芸術賞を受賞。『山躁賦』『眉雨』『楽天記』『野川』『辻』『白暗淵』『ゆらぐ玉の緒』『この道』ほか数多の著作を遺して、2020年2月永眠。
