エレホン
単行本
イギリス文学
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作品カナ:エレホン
紙書籍ISBN:978-4-10-507151-6
紙書籍ISBN:978-4-10-507151-6
一五〇年前に描かれた「理想郷」に、私たちはいま辿り着こうとしている――。
羊飼いの青年が迷い込んだ謎の国「エレホン」。人びとはみな優しく、健康的で美しく――。でも、それには“しかるべき理由”があった。自己責任、優生思想、経済至上主義、そしてシンギュラリティ……。社会の幸福とはいったい何なのか? ディストピア小説の源流とされる幻の長篇が、現代人の心の底に潜む宿痾をあぶり出す。
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サミュエル・バトラー(Butler,Samuel) プロフィール
(1835-1902)19世紀後半に活躍した英国の作家。父は英国国教会の牧師、同名の祖父も名門パブリックスクールの名校長で聖職者。ケンブリッジ大学を卒業するも、父にならって聖職者になる道を拒み、当時の新興植民地ニュージーランドに入植、牧羊業で財を成し、帰国。絵画、作曲を学ぶも、文筆の道へ。ダーウィン『種の起源』に衝撃を受けつつ、彼の理論に異を唱え、進化論と宗教性の融合を試みる。小説の代表作として、『エレホン』の他に、19世紀イギリス社会・家庭の抑圧性を暴いてヴァージニア・ウルフらの喝采を浴びた『万人の道(The Way of All Flesh)』(1903)がある。
この著者の書籍
武藤浩史(ムトウ・ヒロシ) プロフィール
(1958-)英文学者。慶應義塾大学教授。英国ウォリック大学大学院博士課程(Ph.D.)。著書に『「ドラキュラ」からブンガク』(2006)、『「チャタレー夫人の恋人」と身体知』(2010)、『ビートルズは音楽を超える』(2013)。訳書に『D.H. ロレンス幻視譚集』(2015)、D.H.ロレンス『息子と恋人』(2016、小野寺健と共訳)など。