愛慾・その妹(新潮文庫)
新潮文庫
戯曲・シナリオ
TTS(読み上げ)対応
作品カナ:アイヨクソノイモウトシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-105702-6
紙書籍ISBN:978-4-10-105702-6
理性と欲望のギャップに悩み、劣等感や偽りの愛に打ちひしがれた男の暗黒の心理劇。
自分の眼となっている妹を手放すことに怯える貧しく盲目の作家広次が、世間からも人間からも疎外されていく悲劇を描いた「その妹」。兄と妻が通じたことで人間不信に陥る画家英次の苦悶の心理を描く「愛慾」。肉体へのコンプレックスが招く孤独と暗い運命に翻弄されながらも、そこからの密かな救済を暗示させる、作家の個性が光る2つの戯曲。
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武者小路実篤(ムシャノコウジ・サネアツ) プロフィール
(1885-1976)東京・麹町生れ。子爵家の末子。1910(明治43)年、志賀直哉らと「白樺」を創刊、「文壇の天窓」を開け放ったと称された。1918(大正7)年、宮崎県で「新しき村」のユートピア運動を実践、『幸福者』『友情』『人間万歳』等を著す。昭和初期には『井原西鶴』はじめ伝記を多作、欧米歴遊を機に美術論を執筆、自らも画を描きはじめる。戦後、一時公職追放となるが、『真理先生』で復帰後は、悠々たる脱俗の境地を貫いた。1951(昭和26)年、文化勲章受章。