歴史への感情旅行(新潮文庫)
新潮文庫
エッセイ・随筆
作品カナ:レキシヘノカンジョウリョコウシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-113009-5
紙書籍ISBN:978-4-10-113009-5
歴史は、資料の積み重ねではない、むしろ一個の感情である。――古今の文学を逍遥する著者が、我に返る時間を与えてくれる一冊。
歴史は、資料の積み重ねではない、むしろ一個の感情である。――著者は、古老の「むかし噺」に耳を傾けるように古今の文学を逍遥する。酒を慈しみ、愛犬を偲び、信念を述べ、精一杯生きて逝った人々に思いを馳せる。どんな短い一章にも、半世紀にわたる作家人生の精髄が刻み込まれ、暮しの下敷きである「過去」への、敬愛の念が込められている。我に返る時間を与えてくれる一冊。
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安岡章太郎(ヤスオカ・ショウタロウ) プロフィール
(1920-2013)1920(大正9)年、高知市生れ。慶大在学中に入営、結核を患う。戦後、カリエスを病みながら小説を書き始め、1953(昭和28)年「陰気な愉しみ」「悪い仲間」で芥川賞受賞。弱者の視点から卑近な日常に潜む虚妄を描き、吉行淳之介らと共に「第三の新人」と目された。1959年「海辺の光景」で芸術選奨と野間文芸賞、1981年「流離譚」で日本文学大賞、1991(平成3)年「伯父の墓地」で川端康成賞を受けた。