百年泥(新潮文庫)
新潮文庫
文芸一般
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作品カナ:ヒャクネンドロシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-102171-3
紙書籍ISBN:978-4-10-102171-3
南インドの大洪水の泥から、悲しみが次々掻き出される。選考委員激賞、芥川賞受賞の傑作。
豪雨が続いて百年に一度の洪水がもたらしたものは、圧倒的な“泥”だった。南インド、チェンナイで若い IT 技術者達に日本語を教える「私」は、川の向こうの会社を目指し、見物人をかきわけ、橋を渡り始める。百年の泥はありとあらゆるものを呑み込んでいた。ウイスキーボトル、人魚のミイラ、大阪万博記念コイン、そして哀しみさえも……。新潮新人賞、芥川賞の二冠に輝いた話題沸騰の問題作。(解説・末木文美士)
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石井遊佳(イシイ・ユウカ) プロフィール
1963年大阪府枚方市生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。南インド・チェンナイでの日本語教師の経験を元に書いた「百年泥」で、2017年の第四九回新潮新人賞を受賞。翌年、同作で第一五八回芥川龍之介賞を受賞。2020年9月現在は大阪市内に暮らし創作を続けている。