食卓のない家(新潮文庫)

円地文子/著
配信開始日: 2004/12/03
価格:880円(税込)
新潮文庫
文芸一般 TTS(読み上げ)対応
作品カナ:ショクタクノナイイエシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-112713-2
長男・乙彦が〈八ケ岳山荘事件〉を起こしたことにより、鬼童子家は一家離散の危機に瀕する……。家族とは何かを問う長編。
鬼童子信之は、過激派の同志虐殺と〈八ケ岳山荘事件〉に連座して獄中にいる長男・乙彦に面会することも、進んで弁護士をつけることもしない。信之は、息子には息子の、自分には自分の生き方があるという信念を貫き、職を辞すこともなく、マスコミの取材も拒否した。そのため、彼と家族への世間の指弾は一層厳しさを増す。連合赤軍事件を潜在的テーマに、家族とは何かを問う長編。

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円地文子(エンチ・フミコ) プロフィール

(1905-1986)東京生れ。国語学者・上田萬年の次女。日本女子大附属高女中退。早くから古典、特に江戸末期の頽廃耽美趣味に親しんだ。1935(昭和10)年、戯曲集『惜春』を処女出版したのち小説に転じ、『朱を奪ふもの』(1956年)『傷ある翼』(1960年)『虹と修羅』(1968年)の三部作で谷崎潤一郎賞、『遊魂』(1971年)で日本文学大賞を受賞。1967年より『源氏物語』の現代語訳に取り組み、1973年に完成。1985年文化勲章を受章した。

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