地獄は一定すみかぞかし 小説 暁烏敏(新潮文庫)
新潮文庫
文芸一般
作品カナ:ジゴクハイチジョウスミカゾカシショウセツアケガラスハヤシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-147521-9
紙書籍ISBN:978-4-10-147521-9
下咽頭癌で声を失った「私」はある日、炎天下の路上で『歎異鈔』の一節「地獄は一定……」が耳の奥に響くのを聞き――。
下咽頭癌で声を失った「私」はある日、炎天下の路上で『歎異鈔』の一節「地獄は一定……」が耳の奥に響くのを聞いた。これを機に、仏教近代化の旗頭だった破格の念仏僧・暁烏敏の著書に接し、たちまち魅了される。ところが、発声教室で知り合った同病の湯浅よね子は、暁烏を称える「私」との筆談に、なぜか顔を曇らせて……。著者自らの苛烈な闘病を通して問う、信仰の赤裸々な姿。
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石和鷹(イサワ・タカ) プロフィール
埼玉県羽生生れ。文芸誌「すばる」編集長を十年つとめる。その間も創作活動を続け、「掌の護符」「果つる日」がそれぞれ芥川賞候補となった。1989(平成元)年『野分酒場』で泉鏡花文学賞を受賞し、1995年には『クルー』により芸術選奨文部大臣賞を受けた。癌と闘いながら完成させた『地獄は一定すみかぞかし』を1997年上梓。没後、この作品で伊藤整文学賞を受賞。