吾輩は猫である(新潮文庫)
新潮文庫
文芸一般
TTS(読み上げ)対応
作品カナ:ワガハイハネコデアルシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-101001-4
紙書籍ISBN:978-4-10-101001-4
漱石の処女作であると共に、一躍その名を高からしめた代表作でもある。苦沙弥先生に飼われる一匹の猫にたくして展開される痛烈な社会批判は、今日なお読者の心に爽快な共感を呼ぶ。
中学教師苦沙弥先生の書斎に集まる明治の俗物紳士達の語る珍談・奇譚、小事件の数かずを、先生の家に迷いこんで飼われている猫の眼から風刺的に描いた、漱石最初の長編小説。江戸落語の笑いの文体と、英国の男性社交界の皮肉な雰囲気と、漱石の英文学の教養とが渾然一体となり、作者の饒舌の才能が遺憾なく発揮された、痛烈・愉快な文明批評の古典的快作である。
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夏目漱石(ナツメ・ソウセキ) プロフィール
(1867-1916)1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)に生れる。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学した。留学中は極度の神経症に悩まされたという。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表し大評判となる。翌年には『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、東大を辞し、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。