どうせ、あちらへは手ぶらで行く(新潮文庫)
新潮文庫
エッセイ・随筆
TTS(読み上げ)対応
作品カナ:ドウセアチラヘハテブラデイクシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-113335-5
紙書籍ISBN:978-4-10-113335-5
不快、厄介、後廻し。楽々鈍で、どんどん楽。老いても人生を最期まで豊かに。作家の手帳に遺された晩年の記録。
「五月十六日 『楽しく楽に』を最優先。不快、厄介、後廻し。楽々鈍で、どんどん楽」──作家が手帳に記していた晩年の日録には、自身の老いを自覚し、見つめながら、限られた人生を最期まで豊かにしようとする姿があった。執筆への意気込み、友との交遊の楽しさ、家族への愛情、そして妻を亡くした悲しみなど、作家が世を去る三ヶ月前まで、九年間にわたって綴っていた感動の記録。
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城山三郎(シロヤマ・サブロウ) プロフィール
(1927-2007)名古屋生れ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。一橋大学を卒業後、愛知学芸大に奉職し、景気論等を担当。1957(昭和32)年、『輸出』で文学界新人賞を、翌年『総会屋錦城』で直木賞を受賞し、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞を受賞した『落日燃ゆ』の他、『男子の本懐』『官僚たちの夏』『秀吉と武吉』『もう、きみには頼まない』『指揮官たちの特攻』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。2002(平成14)年、経済小説の分野を確立した業績で朝日賞を受賞。