私の遺言(新潮文庫)
新潮文庫
エッセイ・随筆
TTS(読み上げ)対応
作品カナ:ワタシノユイゴンシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-106413-0
紙書籍ISBN:978-4-10-106413-0
霊の世界の実相を伝えること。それが私の使命だった。――すべては佐藤家の先祖とアイヌの因縁に始まる。
北海道に山荘を建てたときからそれは始まった。屋根の上の足音、ラップ音、家具の移動をともなう様々な超常現象、激しい頭痛。私はあらゆる霊能者に相談してその原因を探った。そうせずにはいられなかった。やがてわかった佐藤家の先祖とアイヌとの因縁。霊界の実相を正しく伝えることが私に与えられた使命だったのか。浄化のための30年に及ぶ苛烈な戦いを記した渾身のメッセージ。
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佐藤愛子(サトウ・アイコ) プロフィール
1923(大正12)年、大阪市生れ。甲南高女卒。小説家・佐藤紅緑を父に、詩人・サトウハチローを兄に持つ。1950(昭和25)年「文藝首都」同人となり処女作を発表。1960年「文學界」に掲載された「冬館」で文壇に認められ、1969年『戦いすんで日が暮れて』で直木賞を、1979年に『幸福の絵』で女流文学賞を受賞。佐藤家の人々の凄絶な生きかたを、ありありと描いた大河小説『血脈』で、2000(平成12)年菊池寛賞を、2015年『晩鐘』で紫式部文学賞を受賞する。ユーモラスなエッセイにもファンが多く、2016年『九十歳。何がめでたい』が大ベストセラーとなった。2017年、旭日小綬章を受章。