杳子・妻隠(新潮文庫)
新潮文庫
文芸一般
TTS(読み上げ)対応
作品カナ:ヨウコツマゴミシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-118501-9
紙書籍ISBN:978-4-10-118501-9
神経を病む女子大生との山中での異様な出会いに始まる斬新な愛の物語「杳子(ようこ)」。若い夫婦の日常を通し生の深い感覚に分け入る「妻隠(つまごみ)」。
“杳子は深い谷底に一人で坐っていた。”神経を病む女子大生〈杳子〉との、山中での異様な出会いに始まる、孤独で斬新な愛の世界……。現代の青春を浮彫りにする芥川賞受賞作「杳子」。都会に住まう若い夫婦の日常の周辺にひろがる深淵を巧緻な筆に描く「妻隠」。卓抜な感性と濃密な筆致で生の深い感覚に分け入り、現代文学の新地平を切り拓いた著者の代表作二編を収録する。
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古井由吉(フルイ・ヨシキチ) プロフィール
(1937-2020)1937年東京生まれ。東京大学独文科修士課程修了。ロベルト・ムージル、ヘルマン・ブロッホらドイツ文学の翻訳を手がけたのち、1971年「杳子」で芥川賞を受賞。1980年『栖』で日本文学大賞、1983年『槿』で谷崎潤一郎賞、1987年「中山坂」で川端康成文学賞、1990年『仮往生伝試文』で読売文学賞、1997年『白髪の唄』で毎日芸術賞を受賞。『山躁賦』『眉雨』『楽天記』『野川』『辻』『白暗淵』『ゆらぐ玉の緒』『この道』ほか数多の著作を遺して、2020年2月永眠。