ウィーン近郊
単行本
文芸一般
TTS(読み上げ)対応
作品カナ:ウィーンキンコウ
紙書籍ISBN:978-4-10-444411-3
紙書籍ISBN:978-4-10-444411-3
「さみしかったよね。私たち、それぞれ」生きあぐねた兄の軌跡を辿る妹の旅――。
恐れていたことがとうとう起こった。関空に向かうはずの飛行機に兄は乗らず、四半世紀を暮らしたウィーンで自死を選んだ。報せを受け、葬儀とさまざまな手続きのために渡墺した妹。彼女に寄り添う、兄の同僚、教会の女性たち、そして大使館の領事。居場所を探し、孤独を抱えながら生きたある生涯を鎮魂を込めて描きだす中篇小説。
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黒川創(クロカワ・ソウ) プロフィール
1961年、京都市生まれ。同志社大学文学部卒業。1999年、初の小説『若冲の目』刊行。2008年刊『かもめの日』で読売文学賞、2013年刊『国境〔完全版〕』で伊藤整文学賞(評論部門)、2014年刊『京都』で毎日出版文化賞、2018年刊『鶴見俊輔伝』で大佛次郎賞を受賞。おもな小説に『もどろき』『暗殺者たち』『暗い林を抜けて』『ウィーン近郊』『彼女のことを知っている』、評論に『きれいな風貌――西村伊作伝』、鶴見俊輔・加藤典洋との共著『日米交換船』、エッセイに『旅する少年』など。編著に『〈外地〉の日本語文学選』全3巻、『富岡多惠子の発言』全5巻、『鶴見俊輔コレクション』全4巻ほか。