なまみこ物語(新潮文庫)
新潮文庫
時代小説
TTS(読み上げ)対応
作品カナ:ナマミコモノガタリシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-112706-4
紙書籍ISBN:978-4-10-112706-4
中宮定子のはかない宿命と、関白・道長の野望実現のため、策動させられる生神子姉妹の悲劇を描く表題作のほか2編を収録。
たぐいなきみやびの陰に、摂関政治の忌わしい相剋を露呈した平安朝。一条帝のもとに中宮として入内し、帝の狂おしいばかりの愛を得ながら、なお悲運の生涯を辿らねばならなかった定子。その、はかない宿命を物語りつつ、関白・道長の野望実現のため、策動させられる生神子姉妹の、あやなす悲劇を鮮明に描き上げた「なまみこ物語」。ほかに「歌のふるさと」「ますらお」を併録する。
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円地文子(エンチ・フミコ) プロフィール
(1905-1986)東京生れ。国語学者・上田萬年の次女。日本女子大附属高女中退。早くから古典、特に江戸末期の頽廃耽美趣味に親しんだ。1935(昭和10)年、戯曲集『惜春』を処女出版したのち小説に転じ、『朱を奪ふもの』(1956年)『傷ある翼』(1960年)『虹と修羅』(1968年)の三部作で谷崎潤一郎賞、『遊魂』(1971年)で日本文学大賞を受賞。1967年より『源氏物語』の現代語訳に取り組み、1973年に完成。1985年文化勲章を受章した。