堕落論(新潮文庫)
新潮文庫
文芸一般
作品カナ:ダラクロンシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-102402-8
紙書籍ISBN:978-4-10-102402-8
生きよ、堕ちよ。堕ちること以外の中に人間を救う道はない―。救われない孤独の中に、常に精神の自由を見出し、無頼と反逆に生きた著者の代表的作品9編。
単に、人生を描くためなら、地球に表紙をかぶせるのが一番正しい――誰もが無頼派と呼んで怪しまぬ安吾は、誰よりも冷徹に時代をねめつけ、誰よりも自由に歴史を嗤い、そして誰よりも言葉について文学について疑い続けた作家だった。どうしても書かねばならぬことを、ただその必要にのみ応じて書きつくすという強靱な意志の軌跡を、新たな視点と詳細な年譜によって辿る決定版評論集。
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坂口安吾(サカグチ・アンゴ) プロフィール
(1906-1955)新潟市生れ。1919(大正8)年県立新潟中学校に入学。1922年、東京の私立豊山中学校に編入。1926年東洋大学文学部印度哲学倫理学科に入学。アテネ・フランセに通い、ヴォルテールなどを愛読。1930(昭和5)年同校卒業後、同人誌「言葉」を創刊。1931年に「青い馬」に発表した短編「風博士」が牧野信一に激賞され、新進作家として認められる。少年時代から探偵小説を愛好し、戦争中は仲間と犯人当てに興じた。戦後、『堕落論』『白痴』などで新文学の旗手として脚光を浴びる。