書評・エッセイ

2019年10月号掲載

北村薫『本と幸せ』刊行記念特集

付録CDのお知らせ

対象書籍名:『本と幸せ』
対象著者:北村薫
対象書籍ISBN:978-4-10-406614-8

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朗読は、2019年6月18日ラカグの記念本プレイベントにて。
付録CDにはもう一篇、「白い本」(『ヴェネツィア便り』所収)も収録。

 北村薫さんの作家生活30周年を記念して刊行する『本と幸せ』の付録CDに、《自選短篇ベスト12》の中から、「さばのみそ煮」(『月の砂漠をさばさばと』所収)の自作朗読を収録します。
 梨木香歩さんが新潮文庫版の解説に、こう書いています。
「さばのみそ煮」にあるように、お母さんがかつて子供だった頃、そのお父さんが思いがけず一度だけ歌った歌を、その幸福感と共にいつまでも覚えていたように、さきちゃんも、お母さんがでたらめに歌った「月の砂漠をさばさばと」を、いつまでもいつまでも覚えているだろう。日常の至福はそのように受け継がれてゆく。(新潮文庫解説「日常を守護する」より)
 まさに、このたび、その《でたらめ歌》オリジナルを北村薫さんが、ご自身のお父さまの歌った歌の記憶そのままに、朗読のなかでご披露くださいました。そのメロディを、優しい語りとともに、合わせてお楽しみください。

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このたびの記念本の装幀は、『月の砂漠をさばさばと』文庫版の幸せなお母さんとさきちゃんのイラストで飾りました。
例えば、心がささくれて複雑に感じられる時、このふたりのやりとりや、この本の中に流れる空気を思いうかべると、つい「ふふふ」と、思い出し笑いしてしまうかも――まるで本当の知り合いの、とっておきの話を思い出すみたいに。これは、心にぶらさげておきたくなる、やさしいおまもりのような物語です。
おーなり由子(文庫刊行時帯推薦文より)




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