影に対して―母をめぐる物語―(新潮文庫)
新潮文庫
文芸一般
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作品カナ:カゲニタイシテハハヲメグルモノガタリシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-112340-0
紙書籍ISBN:978-4-10-112340-0
両親が離婚した。母についていくべきだったのに見捨てた自分の弱さ、卑怯さが苦しい。
なぜ父と母は別れたのか。なぜあのとき、自分は母と一緒に住むと勇気を持って言えなかったのか。理由は何であれ、私が母を見捨てた事実には変わりはない――。完成しながらも手元に遺され、2020年に発見された表題作「影に対して」。破戒した神父と、人々に踏まれながらも、その足の下から人間をみつめている踏絵の基督を重ねる「影法師」など遠藤文学の鍵となる「母」を描いた傑作六編を収録。(解説・浅井まかて)
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遠藤周作(エンドウ・シュウサク) プロフィール
(1923-1996)東京生れ。幼年期を旧満州大連で過ごし、神戸に帰国後、12歳でカトリックの洗礼を受ける。慶応大学仏文科卒。フランス留学を経て、1955(昭和30)年「白い人」で芥川賞を受賞。一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア作品、歴史小説も多数ある。主な作品は『海と毒薬』『沈黙』『イエスの生涯』『侍』『スキャンダル』等。1995(平成7)年、文化勲章受章。