津軽通信(新潮文庫)

新潮文庫
文芸一般
ドラマ・映画・アニメ関連
TTS(読み上げ)対応
作品カナ:ツガルツウシンシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-100615-4
紙書籍ISBN:978-4-10-100615-4
短篇小説には、独自の技法があるように思われる。短かければ短編というものではない――。「掌篇小説」の面白さ、味があふれる、異色の一冊。
疎開先の津軽の生家で書き綴られた、新しい自由な時代を迎えた心の躍動が脈うつ珠玉編『津軽通信』。原稿用紙十枚前後の枠のなかで、創作技巧の限りをつくそうと試みた中期の作品群『短篇集』。戦時下の諷刺小説『黄村先生言行録』シリーズ。各時期の連作作品を中心に据えて、それに戦後期の『未帰還の友に』『チャンス』『女神』『犯人』『酒の追憶』を加えて編集した、異色の一冊。(解説・奥野健男)
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太宰治(ダザイ・オサム) プロフィール

(1909-1948)青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。