インタビュー

2026年8月号掲載

令和にゲームとどう付き合う?

阿部智史『ゲームしながら受験で勝つ!─医師が教える子どもが自ら学び出すセルフコントロール力─』

ぎん太

対象書籍名:『ゲームしながら受験で勝つ!─医師が教える子どもが自ら学び出すセルフコントロール力─』
対象著者:阿部智史
対象書籍ISBN:978-4-10-357131-5

聞き手・編集部

──ぎん太さんは「ほぼ塾なし」で開成中学に合格、開成高校在学中の2022年に『偏差値40台から開成合格! 自ら学ぶ子に育つ おうち遊び勉強法』を出版されました。お母さまが「好奇心を学びに変える工夫」をいかに日常的に、いかに楽しくしてくれたかを漫画と文章で描いたもので、大きな話題を呼びました。今日はお母さまにも同席していただいています。ぎん太さんは、今は医学部で学んでいらっしゃるのですよね?

ぎん太 はい、医学部3年生です。著者の阿部さんは高校時代にゲームにのめり込み、そのままフリーターになってゲーム依存の状態になられたと本の最初に書かれていましたが、僕も中学時代にゲーム依存になってしまった経験があります。中学入学後、新しい環境に慣れず友達もあんまりできなくて……。でもゲームをやろうって言えばゲーム好きの子とは一緒にいることができました。振り返ると、それは心から気が合うような友達ではなく、その場限りの関係性だったなぁと。やっていたのも「友達がやっているゲーム」で特に自分がやりたいものではありませんでした。

──本の中で阿部さんも子どもがゲームに熱中していることに悩む親御さんに対して「それって本当にゲームのせいですか?」と問いかけています。阿部さんの場合は、進学校で周りが大学受験に向かうなか、将来への不安や勉強の意味を見出せなかったことなどがゲーム依存に至る原因でした。ぎん太さんは新しい環境への戸惑いのようなものが大きかったと。

 昼夜逆転してゲームをやり続け、眠いから学校に行きたくないと言う。平気で噓をつき、「死ね!」「うるせえ!」といった暴言を吐く……。人が変わってしまったような息子の姿には本当にショックでした。どうしたら良いのか相当悩みましたし、改善策を探しては試す日々でした。

──それまでのゲーム環境はどんなものだったのですか?

ぎん太 小学生時代もゲームはやっていました。Wii Uという家庭用ゲーム機で、誕生日のプレゼントには毎年ゲームソフトを買ってもらう感じでした。中学でスマホを持つようになってからは、スマホゲームです。

 小学生までは問題なかったんです。友達や家族、私も一緒に適度に楽しんでやっていました。「マリオ」や「太鼓の達人」などです。「この勉強が終わったらあのゲームやろう」と、親としても上手く使えていて。でもスマホゲームはまったく別物だということを知らず……。親の目が届かないなかオンラインでいつでもどこでもでき、脳からドーパミンが常に出る刺激的な設計で、報酬ガチャといったハマりやすい仕組みもある。阿部さんもルール作りについて書かれていましたが、スマホを与えた最初の段階でゲームへの細かい制限をかけるなど、親が積極的に関与しないと本当にダメだったなと。正直、スマホゲームしかり、ゲーム自体やらないに越したことはないと私は強く思いますが、とにかく親が実態をよく知り適切に介入することが大切だと痛感しました。

──今のゲームが親世代のそれとはかなり違うとまず知ることが重要だ、と阿部さんもおっしゃっています。

 よく言われますが、スマホがないと今は中学生でもコミュニケーションを取るのが難しいです。開成では生徒同士だけでなく先生ともLINEでやり取りをしましたし、課題の提出、連絡などもGoogleクラスルームでした。

──スマホ前提のなか、ゲームだけでなくSNSや動画といった、大人ですら「ハマりやすいもの」と子どもがどう付き合うかは、令和の親たちの大きな悩みの一つになっています。

ぎん太 そうですね。制限のかけすぎや厳しい禁止で、かえって反動がくる可能性もありますし……。本当に難しい。

 開成の他のお子さんを見ていても、ゲーム依存になってしまう子とそうでない子の差は、ゲーム以外でも楽しめる趣味を持っているかどうかが大きいようでした。ぎん太も、気の合うお友達ができたり読書の楽しさを知ったことでゲーム依存から脱却できましたし。

ぎん太 今も時々ゲームをしますが、友達と一緒にやれば盛り上がるし、息抜きの一つになっています。

──今はゲームと上手く付き合えているのですね。

ぎん太 はい。それで思うのは、生成AIが出始めた当初は「これを使うと思考力が落ちるんじゃない?」と警戒する声が大きかったのが、今は「いかに上手く利用していくか」という流れになっているのと同じではないかなと。「未知なもの、新しいもの」に親子でどう上手く向き合っていくかが、今後はますます重要になっていくように感じます。あと僕がそうだったように、中学生以降は反抗期も重なって親の話を聞きたくなくなるもので……。母に感謝していますが、母は小学生の僕に一方的にルールを押し付けたりはしませんでした。何においても一緒に考えた上でのルール作りが当たり前で、「自分で目標を決め計画を立て勉強する」訓練に自然となっていたのだなと思います。

──結果「セルフコントロール力」を身につけられていたと。

ぎん太 その習慣は大学受験でも役に立ちましたし、今もそうです。思春期以前にいかにそういう「下地」を作れるかが大切だなと、この本を読んで改めて考えました。

(ぎんた 医学生)

最新のインタビュー

ページの先頭へ