個人的な体験(新潮文庫)

大江健三郎/著
配信開始日: 2014/03/14
価格:605円(税込)
新潮文庫
文芸一般
作品カナ:コジンテキナタイケンシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-112610-4
鳥(バード)は逃れた。脳障害のある嬰児から。しかし踏みとどまる……。そしてノーベル賞作家が生まれた。大江の転換点をきざむ名作。
わが子が頭部に異常をそなえて生れてきたと知らされて、アフリカへの冒険旅行を夢みていた鳥(バード)は、深甚な恐怖感に囚われた。嬰児の死を願って火見子と性の逸楽に耽ける背徳と絶望の日々……。狂気の淵に瀕した現代人に、再生の希望はあるのか? 暗澹たる地獄廻りの果てに自らの運命を引き受けるに至った青年の魂の遍歴を描破して、大江文学の新展開を告知した記念碑的な書下ろし長編。

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大江健三郎(オオエ・ケンザブロウ) プロフィール

(1935-2023)1935(昭和10)年、愛媛県生れ。東京大学文学部仏文科卒業。在学中に「奇妙な仕事」で注目され、1958年「飼育」で芥川賞を受賞。1994(平成6)年ノーベル文学賞受賞。主な作品に『個人的な体験』『万延元年のフットボール』『洪水はわが魂に及び』『懐かしい年への手紙』『「燃えあがる緑の木」三部作』『「おかしな二人組(スゥード・カップル)」三部作』『水死』『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』などがある。

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