かきつばた・無心状(新潮文庫)
新潮文庫
文芸一般
TTS(読み上げ)対応
作品カナ:カキツバタムシンジョウシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-103410-2
紙書籍ISBN:978-4-10-103410-2
池の中に発見したかきつばたの狂い咲き。その傍らには若い女の死体が――終戦時の混乱を描いて鬼気迫る「かきつばた」等全15編。
著者は知人の家で池の中にかきつばたの狂い咲きを見た。が、見たものはそれだけではなかった。水面には女の死体が浮いていたのだ―終戦時の混乱を描いて鬼気迫る「かきつばた」。早稲田の貧乏学生の著者は田舎の兄に送るつもりだった無心状を、あろうことかレポートと取り違えて敬愛する師・吉田絃二郎に提出してしまった―ほのぼのと心なごむ青春回想記「無心状」。名品全15編。
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井伏鱒二(イブセ・マスジ) プロフィール
(1898-1993)広島県生れ。本名、満寿二。中学時代は画家を志したが、長兄のすすめで志望を文学に変え、1917(大正6)年早大予科に進む。1929(昭和4)年「山椒魚」等で文壇に登場。1938年「ジョン万次郎漂流記」で直木賞を、1950年「本日休診」他により読売文学賞を、1966年には「黒い雨」で野間文芸賞を受けるなど、受賞多数。1966年、文化勲章受賞。