百年の散歩(新潮文庫)

多和田葉子/著
配信開始日: 2020/05/22
価格:649円(税込)
新潮文庫
文芸一般
作品カナ:ヒャクネンノサンポシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-125582-8
通りを歩き、あの人を待つ。ベルリンの声と記憶に耳を澄ましながら。街を読む物語。
豆のスープをかき混ぜてもの思いに遊ぶ黒い〈奇異茶店〉。サングラスの表面が湖の碧さで世界を映す眼鏡屋。看板文字の「白薔薇」が導くレジスタンス劇。カント、マルクス、マヤコフスキー。ベルリンを幾筋も走る、偉人の名をもつ通りを、あの人に会うため異邦人のわたしは歩く。多言語の不思議な響きと、歴史の暗がりから届く声に耳を澄ましながら。うつろう景色に夢想を重ね、街を漂う物語。(解説・松永美穂)

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多和田葉子(タワダ・ヨウコ) プロフィール

1960(昭和35)年、東京生まれ。早稲田大学文学部卒。1982年、ドイツ・ハンブルクヘ。ハンブルク大学大学院修士課程修了。1991(平成3)年『かかとを失くして』で群像新人賞、1993年『犬婿入り』で芥川賞、2000年『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花賞、2002年『球形時間』でドゥマゴ文学賞、『容疑者の夜行列車』で谷崎潤一郎賞、伊藤整文学賞を受賞。その他の作品に、『海に落とした名前』『尼僧とキューピッドの弓』『雲をつかむ話』などがある。日独二ヶ国語で作品を発表しており、1996年にはドイツ語での作家活動によりシャミッソー文学賞受賞。2018年『献灯使』で全米図書賞(翻訳文学部門)受賞。2006年よりベルリン在住。

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