懲役14年・板橋両親惨殺爆破「15歳少年」が彷徨う王国(新潮45 eBooklet 事件編5)
新潮45eBooklet
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作品カナ:チョウエキジュウヨネンイタバシリョウシンザンサツバクハジュウゴサイショウネンガサマヨウオウコクシンチョウ45イーブックレット
その様は感動的でさえあった。淀みない謝罪の言葉に静まり返る法廷。両親を屠った少年の果てしないゲームの行方――。
「俺はおまえとは、頭の出来が違うんだよ。俺は小さい時から家の仕事も手伝い、真面目に勉強をやってたんだよ」お父さんはこう言って僕の頭を揺すった。もう我慢できない、殺すしかない。お母さんもいつも「死にたい」って言っていたから……。少年は、父を鉄アレイで撲殺し、母をメッタ刺しにしたうえ、現場を時限式発火装置で爆発させた。法廷で感謝と謝罪の言葉を述べる姿は、いい子そのもの。しかし、ずっとつきまとう違和感はなんだろう。呆気なく親を殺し、捕まれば簡単に謝罪するという現代の少年犯罪の一例を追った詳細な事件ドキュメント。
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橘由歩(タチバナ・ユウホ) プロフィール
福島県生まれ。ノンフィクションライター。東京女子大学文理学部史学科卒業。専門紙記者を経てフリーに。雑誌を中心に、家族問題や人物ルポ、事件記事等を執筆。著書に『「ひきこもり」たちの夜が明けるとき~彼らはこうして自ら歩き始めた』がある。なお、黒川祥子(本名)で『同い年事典―1900~2008―』などの著作がある。2013年、第11回開高健ノンフィクション賞受賞。