革命か反抗か―カミュ=サルトル論争―(新潮文庫)
新潮文庫
フランス文学
評論一般
哲学・思想
TTS(読み上げ)対応
作品カナ:カクメイカハンコウカカミュサルトルロンソウシンチョウブンコ
紙書籍ISBN:978-4-10-211409-4
紙書籍ISBN:978-4-10-211409-4
人間はいかにして「歴史を生きる」ことができるか――。鋭く対立するサルトルとカミュの間にたたかわされた、存在の根本に迫る大論争。この後、二人は絶交にいたった。
歴史を絶対視するマルクス主義を批判し、暴力革命を否定し、人間性を侵すすべてのものに“ノン”と言い続けることを説いたカミュ。彼の長編評論『反抗的人間』の発表をきっかけにして起きたサルトルとの激しい論争を全文収録。カミュ、サルトル二人の思想の相違点を知るとともに、現代における人間の尊厳、自由について考えさせる必読の書。ほかにF・ジャンソンの二論文を収める。
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カミュ(Camus,Albert) プロフィール
(1913-1960)アルジェリア生れ。フランス人入植者の父が幼時に戦死、不自由な子供時代を送る。高等中学(リセ)の師の影響で文学に目覚める。アルジェ大学卒業後、新聞記者となり、第2次大戦時は反戦記事を書き活躍。またアマチュア劇団の活動に情熱を注ぐ。1942年『異邦人』が絶賛され、『ペスト』『カリギュラ』等で地位を固めるが、1951年『反抗的人間』を巡りサルトルと論争し、次第に孤立。以後、持病の肺病と闘いつつ、『転落』等を発表。1957年ノーベル文学賞受賞。1960年1月パリ近郊において交通事故で死亡。
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サルトル(Sartre,Jean-Paul) プロフィール
(1905-1980)パリに生れる。海軍技術将校だった父を亡くし、母方の祖父のもとで育つ。高等師範学校で哲学を学び、生涯の伴侶となるボーヴォワールと出会う。小説『嘔吐』(1938)、哲学論文『存在と無』(1943)で注目され、戦後「レ・タン・モデルヌ(現代)」誌を創刊。実存主義哲学の旗手として文筆活動を行い、知識人の政治参加を説いた。1964年、ノーベル文学賞に指名されるが辞退。
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佐藤朔(サトウ・サク) プロフィール
(1905-1996)東京生れ。慶応義塾大学仏文学科卒。同大塾長、私大連盟会長等を歴任。フランス学術文化勲章受章。専門のボードレールの他、コクトー、サルトル、カミュ等の翻訳多数。